臨床心理学に基づいて人々の悩みや問題にアプローチして解決する臨床心理士。
“ストレス社会”と呼ばれている現代において非常に需要の高い仕事になります。
ただ、「ストレスが溜まりやすい」や「収入が不安定になりやすい」ことから「臨床心理士はやめたほうがいい」と言う声もあります。
そこで本記事では、臨床心理士はやめたほうがいいと言われている理由ややめたほうがいい人の特徴、逆に臨床心理士に向いている人の特徴などを紹介します。
「臨床心理士はやめたほうがいい?」と疑問に思っている方は、ぜひ最後まで読んで、今後の参考にしてみてください。
臨床心理士はやめたほうがいいと言われる6つの理由
ここでは、臨床心理士はやめたほうがいいと言われる理由を紹介します。
- 精神的なストレスが溜まりやすい
- 収入が不安定になる可能性がある
- 毎日専門知識の勉強や研究が必須
- 将来性がない
- 就職が難しい
- 業務量と年収が釣り合わない
それでは、詳しく見ていきます。
精神的なストレスが溜まりやすい
臨床心理士は仕事柄ストレスが溜まりやすい仕事になります。
理由は、患者からセンシティブで重い内容の相談をされることが多いからです。
例えば、「生きる希望が見当たらない」であったり「DVを受けていてどうしたらいいかわからない」といった内容ですね。
こういった話に対して過度に感情移入してしまうと、精神的に負荷がかかりやすく、自分自身のメンタルもやられてしまいます。
臨床心理士になることを志したものの、精神的に参ってしまいその道を断念する人も多く、「臨床心理士はやめたほうがいい」と言われる理由の1つです。
収入が不安定になる可能性がある
臨床心理士は非常勤の求人が多く、収入が不安定になりがちです。
また、求人ボックスの調査によると、臨床心理士の平均年収は370万円と日本人の平均年収(450万円)よりも低く、実際に臨床心理士として働いている方の中にも、給料面で不満を抱いている人も多いです。
収入が不安定で平均よりも低いことから、「臨床心理士はやめたほうがいい」と言われることが多々あります。
毎日専門知識の勉強や研究が必須
臨床心理士になった場合、毎日専門知識の勉強や研究が必須になります。
心理学の世界は日々情報がアップデートされるため、その都度新しい知識を習得しないといけません。
また、投薬治療をしている人も相談にくるため、精神医学や精神保健学に関する知識も学ぶ必要があります。
臨床心理士としての仕事を行いつつ、業務時間外に勉強しないといけないので、休息する時間はほとんどないといっても過言ではないでしょう。
将来性がない
1988年に臨床心理士が誕生して以来、心理学の代表的な資格といえば臨床心理士でした。
しかし、2015年に公認心理師法が施行され、公認心理士という日本初の心理職が誕生。
臨床心理士に取って代わって、心理学における代表的な資格として認知されるようになりました。
それに伴って、公認心理士の募集も比例して増加しているため、将来的に臨床心理士の需要が減るのではないかという声も多いです。
就職が難しい
臨床心理士に就職するためには、あらゆる条件をクリアしないとなることができません。
上記のように、臨床心理士は心理学専攻の師弟の大学院を卒業して、複数回試験を突破しないとなることができませんし、晴れて臨床心理士になったとしても、5年ごとに資格更新のための試験を受験する必要があります。
勉強したからといって必ず臨床心理士になれる世界でもないため、コスパ悪く感じて「臨床心理士はやめたほうがいい」と考える人も多いです。
業務量と年収が釣り合わない
臨床心理士の中には業務量と年収が釣り合っていないという声があります。
業務量や勉強量が多く資格取得のハードルが高い反面、平均年収が低いことから、このような声が多数あり、「臨床心理士はやめたほうがいい」と言われる理由の1つと言えるでしょう。
臨床心理士をやめたほうがいい・後悔する人の6つの特徴
ここでは、臨床心理士をやめたほうがいい・後悔する人の特徴を紹介します。
- 相手の話を聞くのが嫌な人
- 他人の心に寄り添えない人
- 高年収を目指したい人
- 個人情報を守れない人
- 臨床心理士試験に何度も落ちている人
- 勉強が苦手な人
それでは、詳しく見ていきます。
相手の話を聞くのが嫌な人
相手の話に対して耳を傾けられない人は、臨床心理士には向いていません。
臨床心理士で重要なのは、患者と円滑なコミュニケーションをとれることです。
その中でも特に患者の話を聞くことが重要で、一方的にこちらがずっと話していてもダメです。
臨床心理士の下に来る患者は、何かしら悩みを抱えていて、誰かに自分のことや今の悩みを聞いてほしいという方がほとんどになります。
だからこそ、傾聴力がとても必要で、これが苦痛な人は臨床心理士はやめたほうがいいでしょう。
他人の心に寄り添えない人
他人の心に寄り添えない人は臨床心理士に向いてないです。
先ほど「話を聞くことが大事」と書きましたが、それと同じくらい「相手に寄り添う気持ち」も大事になります。
患者の悩みに対してストレートに解決策を与えるのではなく、とにかくうなづきながら共感してあげることが必要です。
正論マンでは務まりません。
高年収を目指したい人
高年収を目指したい人は、臨床心理士はやめたほうがいいです。
以下、臨床心理士と日本人の平均年収の比較になります。
臨床心理士の平均年収:370万円
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日本人の平均年収:450万円
高年収を目指すのであれば、他の仕事を選んだ方がいいでしょう。
個人情報を守れない人
個人情報を守れない人は、臨床心理士はやめたほうがいいでしょう。
なぜなら、臨床心理士の仕事柄患者の個人情報を取り扱う機会が多いからです。
もし、家族や知人に患者の個人情報を漏らしてしまった場合、大きな問題に発展する可能性があります。
最悪、罪に問われる可能性もあります。
個人情報を黙秘できない人は、臨床心理士に向いていないと言えます。
臨床心理士試験に何度も落ちている人
臨床心理士になるためには、何度か試験を受けて合格する必要があります。
難易度はしっかりと勉強してきた人であれば合格することが可能で、逆に試験勉強に熱を入れられない人は何度受けても受かることができません。
しっかりと勉強すれば受かるからこそ、何度も臨床心理士試験に落ちている人は、やめたほうがいいでしょう。
勉強が苦手な人
臨床心理士は勉強が苦手な人には向いていません。
臨床心理士になるためにはもちろん勉強が必要ですが、臨床心理士になった後も継続して勉強する必要があります。
勉強が苦手な人は臨床心理士になるのはやめたほうがいいでしょう。
臨床心理士が向いている人の6つの特徴
ここでは、臨床心理士が向いている人の特徴を紹介します。
- 他人を助けるのが楽しい人
- 切り替えが早い人
- コミュニケーションスキルが高い人
- 聞き上手な人
- 過去に辛い思いを多くしてきた人
- 勉強熱心で苦ではない人
それでは、詳しく見ていきます。
他人を助けるのが楽しい人
臨床心理士は人助けが得意な人や好きな人に向いています。
患者から悩み事や相談事を聞いてあげて解決に向けて伴走するのがメインの仕事になるので、人助けの精神は必須です。
また、カウンセリングの後に感謝されたり、心開いたりしてくれると、臨床心理士としてはこの上ない喜びになります。
人から感謝されることにやりがいを感じる人も臨床心理士が向いていると言えるでしょう。
切り替えが早い人
切り替えが早い人も臨床心理士に向いています。
臨床心理士の仕事をしていると、患者の中には非常に重い内容の相談をされることがあります。
そういった相談に対して前のめりになって感情移入してしまう人は病む可能性が高いです。
臨床心理士の仕事をする上で切り替えの早さは大事になります。
コミュニケーションスキルが高い人
コミュニケーションスキルが高い人は、臨床心理士に向いています。
臨床心理士は患者とのコミュニケーションを介して精神的なストレスや悩みを解消していく仕事なので、人との対話スキルは非常に大事です。
逆にコミュニケーションスキルがない人は、臨床心理士に向いていないでしょう。
聞き上手な人
先ほどの「コミュニケーションスキルが高い人」と重なりますが、臨床心理士はコミュニケーションスキルの中でも特に患者の話に耳を傾けられる人に向いています。
いくらコミュニケーションスキルが長けていても、自分が一方的に話しているだけでは臨床心理士は勤まりません。
患者の話に耳を傾け聞いてあげることが大事です。
日々の生活の中で自分の話をするよりも人の話を聞くことの方が好きな人に向いているでしょう。
過去に辛い思いを多くしてきた人
過去に辛い思いを多くしてきた人は、臨床心理士に向いているでしょう。
臨床心理士に必要な要素の1つとして、共感力が挙げられます。
過去に患者と同じ境遇であったり、辛い思いをした経験のある人の方が、患者の悩みや辛さをより感じることができ、共感することができます。
過去に辛い思いをたくさんしてきた人は、臨床心理士としての適正は非常に高いですね。
勉強熱心で苦ではない人
日常的に勉強することが苦ではなく、新しい知識や情報に対して興味や関心を持てる人は、臨床心理士に向いています。
臨床心理士になるためには様々な試験を突破する必要がありますが、臨床心理士になった後も知識をアップデートするための勉強が必要です。
なので、学生時代そもそも勉強が苦手だった人は、臨床心理士に向いてないと言えるでしょう。
臨床心理士の3つの魅力・メリット
ここでは、臨床心理士の魅力やメリットを紹介します。
- 精神的な問題を抱えた人を助け回復した姿が見れる
- 業務を通じて様々な面で成長できる
- 幅広い働き方ができる
それでは、詳しく見ていきます。
精神的な問題を抱えた人を助け回復した姿が見れる
臨床心理士は、精神的な問題を抱えた人を助ける仕事です。
そのため、患者が社会で自立して生きることができるまでサポートします。
患者がしっかりと自立できるまで回復する過程を見れるのが、大きな魅力の1つです。
業務を通じて様々な面で成長できる
臨床心理士は業務を通して様々な領域で成長できるのも大きな魅力の1つです。
具体的には、カウンセリングだけでなく専門家共同の研究や対象地域へ出向いて調査をすることもあります。
このようなスキルや経験は、他の業界でも活用できるので、転職の際アピールする材料になるでしょう。
幅広い働き方ができる
臨床心理士の働き方はとても多様です。
具体的には、以下の通り。
- 病院の臨床心理室
- 開業心理クリニック
- 自治体の教育センター
- スクールカウンセラー
- 児童相談所
- 児童福祉施設
- 企業の健康管理室
- 少年院
- 刑務所
福祉や教育などの分野にも精通するため、様々なスキルを磨くことが可能です。
臨床心理士は将来性がある?
ここでは、「臨床心理士は将来性がある?」かどうかについて紹介します。
結論から言うと、将来性はとてもあります。
具体的な理由は、以下の通り。
- AIに代替されにくい
- 心の悩みを抱えている人が増加中で需要が高まっている
それでは、詳しく見ていきます。
AIに代替されにくい
職業の将来性を考える上で、AIで代替可能かどうかは外せない項目になります。
単純作業やルーティンワークは、AIの得意分野であるため、代替される可能性が高いです。
一方、人を介さないと成立しない仕事の場合、現状AIでは代替できません。
臨床心理士はまさに後者に当てはまり、人の心にアプローチする仕事なので、AIに代替されにくいです。
心の悩みを抱えている人が増加中で需要が高まっている
現代は仕事や日々の生活を通じてストレスを溜めてしまう人が増えていることから、社会問題として捉えられています。
実際に数字としても出ていて、2022年の厚生労働省が出した統計によると、以下のことがわかっています。
精神疾患を有する総患者数は約419.3万人【入院:約30.2万人、外来:約389.1万人】
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000940708.pdf
※ うち精神病床における入院患者数は約27.8万人
入院患者数は過去15年間で減少傾向(約34.5万人→30.2万人【Δ約4万3千人】)
一方、外来患者数は増加傾向(約223.9万人→389.1万人【約165万2千人】)
精神疾患による入院患者は減っているものの、外来患者が右肩上がりに増えています。
そのため、心の悩みや問題の解決が求められる臨床心理士の仕事は、さらにこれからも需要が伸び、多くの人から頼りにされる仕事になることが予想可能です。
臨床心理士と公認心理士どちらがいい?
結論から言うと、目的によって使い分けるのがいいです。
具体的には、以下の通り。
ちなみに、臨床心理士と公認心理士の掛け持ちをすることも可能です。
臨床心理士と公認心理士の二刀流によってありとあらゆる心理に関する職種に就くことができます。
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まとめ:臨床心理士はやめたほうがいいかどうかは自分次第
本記事では、「臨床心理士はやめたほうがいい理由」について紹介しました。
「精神的なストレスが溜まりやすい」「収入が不安定になる可能性がある」「毎日専門知識の勉強や研究が必須」などの理由から、「臨床心理士はやめたほうがいい」と言う声があります。
臨床心理士はやめたほうがいいかどうかを判断する上で、以下の点が重要です。
- 臨床心理士への興味関心
- 自分にとって臨床心理士と公認心理士どちらがいいか
- 臨床心理士の苦労や魅力
上記3つをしっかりと頭の中に入れて、臨床心理士はやめたほうがいいかどうかを判断しましょう。
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