短期間でのお住まいを検討している人を中心に需要が高い定期借家。
一方、「契約期間が満了後更新できない」ことや「再契約で条件が変わる可能性」などから「定期借家はやめたほうがいい」と言う声も多いです。
そこで本記事では、定期借家をやめたほうがいい理由や定期借家で募集されている理由を紹介しつつ、定期借家をやめたほうがいい人や定期借家で退去しない場合どうなるか、事故物件の可能性、逆に定期借家のメリットなどを紹介します。
「定期借家はやめたほうがいい?」と疑問に思っている方は、ぜひ最後まで読んで、今後の参考にしてみてください。
定期借家はやめたほうがいいと言われる7つの理由・デメリット
ここでは、定期借家はやめたほうがいいと言われる理由・デメリットについて紹介します。
- 契約期間が満了後更新できない
- 途中解約は原則不可
- 家賃交渉が難しい
- 物件によっては家賃が高い
- 設備などに不具合があっても対応してもらえない可能性が高い
- 再契約で条件が変わる可能性あり
- 普通借家より物件数が少ない
それでは、詳しく見ていきます。
契約期間が満了後更新できない
定期借家の場合、契約期間満了後に再度契約更新することは難しいです。
理由は、契約満了後の再契約を前提としていないためです。
通常の賃貸の場合、契約期間が終了した後も再び契約更新することで、同じ部屋に住むことができます。
一方、定期借家の場合は再契約を前提としていないため、契約が切れた後は基本的に退去しないといけません。
とはいえ、「定期借家=契約期間しか住めない」わけではなく、大家さん次第では契約満了後に契約更新できる可能性もあります。
途中解約は原則不可
定期借家では途中解約は原則できません。
これについては、国土交通省が出しているドキュメントにも記載があります。
貸借人の中途解約可否
https://www.mlit.go.jp/common/001170116.pdf
①床面積200㎡未満の居住用の建物については、借家人が、転勤、療養、親族の介護等のやむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難となった場合には、借家人の方から中途
解約の申入れをすることが可能(申入れの日後1か月の経過により賃貸借契約が終了)。
②①以外の場合は中途解約に関する特約があればその定めに従う
上記の通りで、やむを得ない事情があれば、契約期間の途中であっても契約を取りやめることが可能で、基本的には途中解約は不可能です。
場合によっては違約金が発生することもあるため、契約期間満了まで住む必要があります。
通常の賃貸とは異なり、途中解約が原則できないところも「定期借家をやめたほうがいい」という声がある1つの理由です。
家賃交渉が難しい
定期借家では家賃交渉をするハードルが高いです。
理由としては、家賃があらかじめ低く設定されているためです。
ただ、ある方法を使うと家賃交渉をすることができます。
その方法とは、以下の通り。
- 賃料を一括前払いすることが可能で、それに伴い賃料減額等の交渉も可能
- 住まいの選択肢が広がる定期借家制度
家賃を一括で前払いすることを条件にすれば、月々の家賃を減額する交渉をすることができます。
物件によっては家賃が高い
定期借家は基本的に通常の賃貸よりも家賃が安く設定されています。
しかし、物件によっては家賃が高いものもあるため、一概に「定期借家は安い」とは言えません。
「定期借家は安い」と思いすぎて物件探しをしてしまうと、かえって家賃が高く感じてしまい、「定期借家はやめたほうがいい」と感じてしまいます。
設備などに不具合があっても対応してもらえない可能性が高い
定期借家として募集されている理由はいくつかありますが、その中でも多いのが「建物の建て替えや取り壊しが予定されている」ことです。
この場合、後々建物を壊すことから設備投資がうまくされていないことが多く、何か不具合があったとしてもオーナーにとっては無駄なコストがかかってしまうため、対応してくれない可能性が高いです。
再契約で条件が変わる可能性あり
定期借家の場合、契約満了後の再契約で条件が変わる可能性があります。
事例として多いのが、家賃が上がるケースです。
定期借家は周辺の家賃相場よりも安く設定されていることが多々あるので、再契約後に家賃を引き上げることが多いです。
家賃が上がるとその分負担額も上がってしまうため、「定期借家はやめたほうがいい」と感じる人も多いでしょう。
定期借家契約の期間が1年以上の場合、貸主は借主に、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、「期間満了により賃貸借契約が終了する」旨を通知する必要があります。
この通知に再契約時の条件等が書かれていることがあるため、この時にどのような条件になるかを確認しておくといいです。
普通借家より物件数が少ない
自身で物件探しをしたことのある人は感じているかもしれませんが、定期借家よりも普通借家のほうが圧倒的に物件数は多いです。
不動産情報サイト「アットホーム」の調査によると、「一都三県の全物件数に対する定期借家の割合」に関する統計は以下の通り。
面積帯 | 30m²以下 (シングル) | 30~50m² (カップル) | 50~70m²以下 (ファミリー) |
---|---|---|---|
東京23区 | 5.9 % | 4.3 % | 3.3 % |
東京都下 | 2.9 % | 2.2 % | 2.4 % |
神奈川県 | 4.1 % | 2.5 % | 1.3 % |
埼玉県 | 1.8 % | 1.2 % | 0.6 % |
千葉県 | 1.4 % | 0.8 % | 0.3 % |
定期借家の割合が非常に低いことがわかります。
そのため、数の面で定期借家を探すのは難しいです。
定期借家で募集されている理由
なぜ、普通借家ではなく定期借家として募集されているのでしょうか?
結論、理由は大きく4つあります。
具体的には、以下の通り。
- 建物の建て替えや解体が予定されている
- 別の借主との契約が予定されているため
- 海外赴任などの期間中だけ賃貸するため
- 借主との契約を簡単に終了できるため
上記のような背景から定期借家として募集されています。
定期借家を探す場合は、上記の4つを考慮して選ぶ必要があります。
定期借家をやめずに住んだ人の体験談
定期借家はやめたほうがいい人の3つの特徴
ここでは、定期借家はやめたほうがいい人の特徴を紹介します。
- 長い期間住みたい人
- 設備の不具合があった場合、無料で修理してほしい人
- 家賃交渉前提で物件を探している人
それでは、詳しく見ていきます。
長い期間住みたい人
定期借家の場合、原則契約期間が決まっていて、その期間を過ぎると退去しないといけません。
大家さんによっては契約満了後に契約を更新することができる物件もありますが、基本的にはできないと考えておくのがいいでしょう。
長い期間住みたい人は、定期借家に住むのはやめたほうがいいです。
設備の不具合があった場合、無料で修理してほしい人
「今後建物の建て替えや解体を予定している」ことから定期借家として募集しているケースがあり、そういった場合は設備の修理費用を出してくれない可能性があります。
なぜなら、今後建て替えや解体を行う物件に設備投資をしても無駄になるからです。
逆に普通借家の場合は、管理会社に問い合わせをすることで、設備の修繕費を出してくれます。
設備の不具合や修復にお金をかけたくない場合は、定期借家はやめたほうがいいでしょう。
家賃交渉前提で物件を探している人
通常の賃貸の場合、家賃交渉の余地がありますが、定期借家の場合は家賃を下げることが難しいです。
なぜなら、定期借家はあらかじめ周辺の家賃相場よりも幾分か安く設定しているからです。
ただ、以下のような方法を取ることで、家賃交渉をすることができますので、一概に家賃交渉が不可能とは言えません。
- 賃料を一括前払いすることが可能で、それに伴い賃料減額等の交渉も可能
- 住まいの選択肢が広がる定期借家制度
定期借家はうざい?事故物件の可能性はある?
ここでは、定期借家の事故物件の可能性について紹介します。
- 相場よりも賃料が極端に安い場合は事故物件の可能性あり
- 退去の際トラブルになりやすくうざい
それでは、詳しく見ていきます。
相場よりも賃料が極端に安い場合は事故物件の可能性あり
基本的に定期借家は普通借家よりも家賃が安く設定されています。
ただ、一点注意が必要なのは、極端に家賃が低い場合です。
この場合、事故物件を疑う必要があります。
事故物件に関しては、別記事でも詳しく解説しているので、合わせて読んでみてください。
事故物件ではないかどうかについては、大家さんや担当している不動産屋に直接問い合わせてみて、確認するのがいいでしょう。
退去の際トラブルになりやすくうざい
定期借家はどちらかというと、オーナーファーストなところが強く、借主にとって不便な点が多々あります。
特に条件面で普通借家よりも複雑なしがらみが多いので、しっかりと契約内容を理解していないと退去時にトラブルになりやすいです。
定期借家の利用者の中には、このようなトラブルがうざいと感じて、「定期借家はやめたほうがいい」と感じている人も多いほどであるため、定期借家を利用する際は頭に入れておく必要があります。
定期借家で退去しない場合はどうなる?
定期借家で退去しない場合はどうなるでしょうか?
結論、最終的に明渡訴訟を起こされる可能性があります。
定期借家契約の期間が1年以上の場合、貸主から借主へ期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、「期間満了により賃貸借契約が終了する」旨を通知する必要があります。
つまり、借主は前もって契約満了することを知らされているわけです。
にも関わらず、定期借家から退去しなかった場合は、貸主から法的措置を取られてしまっても仕方ありません。
定期借家から退去しない場合、訴訟を起こされる可能性があることを頭に入れておきましょう。
定期借家で延長交渉は可能?
結論、定期借家は契約期間満了後の再契約はしない前提で契約するため、延長交渉が原則不可能です。
しかし、大家さんによっては契約期間が終了した後、再度契約更新をしてくれることもあるので、
物件によって延長交渉が可能かどうかは変わってきます。
また、大家さんも人間なので、大家さんにとって借主がいい人であれば、快く契約更新をしてくれます。
定期借家で延長交渉が可能かどうかは、ある意味、人間性も必要になってくると言えるでしょう。
定期借家の7つのメリット
ここでは、定期借家のメリットについて紹介します。
- 敷金・礼金・家賃が相場より低めに設定されていることが多い
- 優良物件に住める
- 一時的に住宅需要を満たせる
- 長期間の契約でも更新手続きがいらない
- 隣人トラブルが短期間で済むケースもある
- 設備や環境が整っている場合が多い
- 再契約型の定期借家契約の物件もある
それでは、詳しく見ていきます。
敷金・礼金・家賃が相場より低めに設定されていることが多い
普通借家と比較して定期借家の方が相場より敷金・礼金・家賃が低く設定されています。
そのため、あまり家賃に極力お金をかけたくない人に向いています。
優良物件に住める
定期借家は普通借家では出回らない物件に巡り合うこともできます。
例えば、「新築間もない一戸建てや分譲マンション」などが当てはまります。
このような物件にやすい家賃で住むことができるので、お得ですね。
一時的に住宅需要を満たせる
自宅の建て替えやリフォームの間の仮住まいとして定期借家が利用されることもあります。
普通借家の場合、2年間住む必要があるため、仮住まいとして利用するには不便となってしまいます。
一方、定期借家であれば短期間の契約も可能なので、一時的な住宅需要を満たすことが可能です。
長期間の契約でも更新手続きがいらない
定期借家は原則1ヶ月から1年ほどの短期契約になることが多いです。
一方、定期借家であっても3年から5年の長期契約になることもあります。
長期契約の場合も契約更新はないことが多いため、手続きは必要ありません。
隣人トラブルが短期間で済むケースもある
普通借家では原則2年間は住まないといけないため、隣の部屋の生活音がうるさい場合、簡単に引っ越すことができません。
一方、定期借家であれば契約期間が短いため、多少隣人とトラブルがあっても、逃げ切ることが可能です。
設備や環境が整っている場合が多い
定期借家は短いスパンで住まいを貸し出すため、借主が退去する頻度は普通借家よりも多くなります。
その分、退去の度にハウスクリーニングや修繕が行われるため、普通借家よりも設備や環境が整っているケースが多いです。
設備や環境が整っているのは、大きなメリットと言えるでしょう。
再契約型の定期借家契約の物件もある
定期借家であっても、再契約が可能な定期借家も中には存在します。
具体的な年数で言うと、3年から5年程度住むことが可能です。
定期借家というと、住める期間が短い点がデメリットと感じる人が多いですが、再契約可能な物件であれば、そういったデメリットを補うことができます。
定期借家以外の物件を探す方法
結論、以下の3サイトに登録して、住みやすい部屋を探しましょう。
- アパマンショップ
- 店舗数ナンバーワン!掲載物件は180万件以上!の賃貸住宅仲介業者
- goodroom賃貸
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- レオパレス21
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上記の3サイトに掲載されている賃貸住宅はどれも質が高く、定期借家以外を探す際にとても有効です。
また、掲載されている物件情報もいい部分だけではなく悪い部分も忖度なしに明記されているため、安心して利用することが可能です。
3サイトすべて無料で利用できますので、まずは一通り登録して自分に合った普通借家を見つけましょう。
定期借家をやめたほうがいいと思っている人からよくある質問
最後に、「定期借家をやめたほうがいい」と考えている人からよくある質問を紹介します。
定期借家契約とは何ですか?
定期借家契約とは、賃貸契約が一定の期間終了後に自動的に終了することが予め定められている契約です。通常の賃貸借契約が無期限で更新可能なのに対し、定期借家は事前に合意された期間(最低2年以上)が満了すると、契約が終了します。この契約形態は、賃貸人と借主の双方に明確な契約期間を提供し、将来の計画の立てやすさがメリットです。
定期借家契約の更新はできますか?
定期借家契約は基本的には更新されません。契約期間が終了すれば、その契約は終了となります。ただし、賃貸人と借主の双方が合意する場合には、新たな定期借家契約を締結することが可能です。この場合、契約条件などが見直されることが一般的です。
定期借家契約で退去時に注意すべきことは何ですか?
定期借家契約の退去時には、契約終了日を確認し、期日までに退去準備を整えることが重要です。退去の際は、物件を元の状態に戻す必要がありますので、修繕やクリーニングが必要になる場合があります。また、敷金の返還条件や手続きの詳細を事前に確認しておく必要があります。
定期借家契約の解約は可能ですか?
定期借家契約は、契約期間内の一方的な解約が原則として認められていません。ただし、契約書に解約条項が設けられている場合や、特別な事情が認められる場合(例えば、重大な契約違反があった場合など)には、解約が可能です。契約を結ぶ際には、解約条件をよく理解しておくことが大切です。
まとめ:定期借家をやめたほうがいいかどうかは自分次第
本記事では、「定期借家をやめたほうがいいと言われる理由」について紹介しました。
「契約期間が満了後更新できない」「途中解約は原則不可」「家賃交渉が難しい」などの理由から、「定期借家はやめたほうがいい」という声が多いです。
定期借家をやめたほうがいいかどうかを判断する上で、以下の点が重要です。
- 短期間だけ住むかどうか
- 設備の不備や不具合があった場合に自分で業者を呼べるかどうか
- 家賃交渉をしないかどうか
上記3つをしっかりと頭の中に入れて、定期借家をやめたほうがいいかどうかを判断します。
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